大切なビジネスメールですが、研修のある会社は大変少ないです。会社の研修が無いなら自分で習得するしかありませんね。
ビジネスで当たり前のメール送受信。「できません」では話になりませんし、とりあえず送ることは誰にでもできます。でも、それでは、ビジネスとしては通用しません。先様に失礼のないように、基本を押さえておきましょう。
メール、FAXや電話連絡以上に、お手軽な通信方法です。でも、軽い気持ちで書きすぎると、後で痛い目にあいます。友達同士のメールとビジネスメールは違いますので、抑えるべきところは押さえておきましょう。
メールは、慣れてしまえば大変便利!ビジネスでもプライベートでも、活躍しますよ。
ビジネスメールの基本を押さえましょう
ビジネスメールは、プライベートのメールではありません。メールは、今では、ビジネスでは当たり前のツールです。メールを出した人が、正社員でもパートでも、メールを受ける先様には関係ありません。失礼の無いように、基本だけは押さえておきましょう。
会社の代表メルアドに届いたメールに、宛先担当者の名前が無かったり、自分の名前すら書かない人がいます。メルアドや用件でわかるでしょ、という事かもしれませんが、メールをもらった方は、良い気分ではありませんね。
メールの利便性と必要性
いまは、SNSなど、いろいろありますが、ビジネスでは、メールは無くてはならないものになってしまいました。
電話ができない場所などでも、連絡が取れる
急な連絡の時や、他の人に聞かれたくない要件の時、電話ができない場所にいる時でも、瞬時に送受信できますので、レスポンスが格段に良く、便利です。
資料をすぐに確認できる
Excel・Word・PDFなどのデータを送受信できるので、出先ですぐに資料が必要になっても、添付してもらえばすぐに確認できる。最悪、資料を忘れても、なんとかなる!?(笑)
自分の(相手の)都合の良い時間に、確認できる。
電話だと、仕事を中断させてしまったりして申し訳なく思う事がありますが、メールだと、都合の良い時間に読んでいただけます。会社にいなくても、待ち時間や移動時間に確認する事もできます。
無くならない
FAX等の紙媒体だと、どこかの資料に紛れ込んだりして紛失してしまう事がありますが、メールはデータとしてPCに残っているので、無くすことは無いです。
メールを使うようになってから、FAXの頻度が劇的に減りました。重要なものだけプリントすれば良いので、紙を使う事が少なくなりました。
メールのマナーと弱点
気を付けなければけない事もあります。メールにもマナーや弱点があります。
微妙なニュアンスは伝わりにくい
「相手の顔色を伺う」という事はメールではできません。やり取りしていても、リアクションが解らないですし、文字だと、微妙なニュアンスを伝えるのは難しいでしょう。
解決策は、「丁寧すぎるくらいの文章で丁度いい」と思って、書きましょう。文字は冷たい印象がありますので、特に、良く知らない方へのメールは、気を付けましょう。
メルアドを間違うと、他人に情報が漏れてしまう
どこぞの大臣がメールを誤送信して問題になっていましたね。同じように、メルアドを間違うと、大変なことになるので、ココだけは要注意です。
解決策は、メルアドは必ず登録するようにして、名前を間違わないように社名なども登録しておきましょう。佐藤さんや山田さん等、同じような名前の方は多いです。
仕入先の単価を得意先に送ってしまったりしたら・・・真っ青ですよね。気を付けて。(経験者なので・・・)
また、初めてのお相手には、空メールを送っていただいて、返信する方が確実ですね。
インターネットがつながる環境がいる
まだ、つながりにくい地域もあります。時々、音声すら途切れることがありますね。自分ではどうしようもないですが、特に山奥などはつながらないので、そういう場合はネットはあきらめましょう。
こういう時に、ネットの利便性が身にしみます。無い時代はどうしていたのだろうと、たった数十年前なんですけどね。
コミュニケーション能力が低下する
特に若い人は、メールに頼りすぎて、電話をしなくなったと思います。隣の席の人とさえ、話すことすらせずにメールします。
解決策は、せめて目の前にいる人とは、話しましょう!お話して顔の筋肉を鍛えた方が可愛く(カッコよく)なりますよ。
余分なものまで送る(送られてくる)
郵送やFAXだと、大量に送ればそれだけ費用がかかります。でも、メールは超多量で無ければ無料です。
ですので、FAXでは必要なものだけ選抜して送られてきたのですが、メールでは何もかも全部送られてきます。良い場合もあるかもしれませんが、関係ないものまで送られてくると間違いのもとになります。
解決策は、面倒でも、相手のわかりやすいように資料を揃え、添付しましょう。
先様に失礼のないように、メールを作成していきます
1・タイトル(件名)は、簡潔にわかりやすく書く
受診トレイを開くと、受信メールの件名がずら~っと並びます。この件名をみて、メールを開いてくれますので、一目でわかるように、解りやすく、簡潔に書きます。
本文では丁寧な言葉が必要ですが、あえて、ここでは、敬語をフルで使わなくてもよいです。件名は、とにかく内容を簡潔にまとめて!
2.本文の1行目は、宛名を書く
株式会社〇〇・・・・・㈱とは略しません。正式名称を書きます。
代表取締役 〇氏名〇様・・・・・お相手のお名前はフルネームで書きましょう。特にお会いしたことの無い方へのメールやお礼メールは、フルネームで。
「御中」と「様」は一緒には使いません。「御中」は、〇〇課、〇〇部などお相手が複数の時に。「様」は、個人、おひとり様の場合に使用し、両方同時には使いません。
3.まず、挨拶をし、名乗る
最後の署名に名前があるから、名乗らなくともと思われるかもしれませんが、まず、名乗る!その方が解りやすいですし、ビジネスマナーです。
例として、「大変お世話になっております。有限会社〇〇の田中でございます」としましょう。その他には
- ご無沙汰しております。
- 先日はありがとうございました。
- ご連絡ありがとうござました。
などが、よく使われます。あまりお世話になっていなくても「お世話になっております」で始めた方が良いと思います。これからお世話になるかもしれませんしね(笑)
4.このメールの要点・趣旨を簡潔に述べましょう
- 明日の〇〇先生との打ち合わせの日程について、お知らせいたします。
- 〇〇様のお見積りを添付させていただきました。
- 先日のお礼を申し上げたく、メールを差し上げました。
などです。上司への報告の場合は、まず結果から話しますよね。同じです。まず、要点から入りましょう。
いきなり詳細から入ると、他のよく似た要件がある場合は勘違いしてしまう事があります。いくつも案件を抱えている場合は特に、案件を特定できる単語を入れると、あとでトラブルにならないと思います。
5.本題・詳細を書きます
まず、結論を先に書きます。詳細は、だらだら書かずに読みやすく!また、添付ファイルがある場合はどのようなファイルを添付したか、一言書いておきましょう。
- 誤字脱字のチェック
- 自分が伝えたいことを明確に書きましょう。
- 相手に解りやすく、出来れば箇条書きで書きましょう。
- 6W3Hを意識して要点を漏らさずに、書きましょう
- 6W3Hとは、What(何を)When(いつ)Where(どこで)Why(なぜ)Who(誰が)Whom(誰に)How to(どのように)How many(どれだけ)Hou much(いくらで)
最後に、書いたら、必ず読み直しましょう。
考えながら書いていると、「て」「に」「を」「は」などの助詞の使い方が変な時があります。使い方を間違うと、わかりにくい文章になってしまうので、チェックしましょうね。
6.結びの挨拶
最後の挨拶は、「〇〇〇〇、よろしくお願い致します」が一般的です。
- 今後とも、よろしくお願い致します。
- ご検討の程、よろしくお願い致します。
- ご協力いただけますよう、よろしくお願い致します。
本文に合わせて、使うようにしましょう。また、今はお世話になっていない場合でも、「お世話になっております」と書き出す方が無難です。今後お世話になるかもしれませんしね。
7.署名
メールでの名刺のようなものです。署名は、一度登録しておけば、メールを作成する時に自動で表示されるようにできます。手間が省けますね。
- 会社名・部署名・氏名
- 郵便番号・住所
- 電話番号・FAX番号
- メールアドレス
- 会社のホームページのURL
等を、署名の中に書いておきます。営業日や定休日を書いておいても良いですね。署名の手前で、数行を使って案内やお知らせを入れておいても良いです。
私は、署名の前に、簡単な自己紹介を書いたり、写真を貼ったり、バーゲンセールのURLを入れたりしていました。お会いできないので、少しでもお近づきになれるようにと、工夫していました。
メールの注意点!これが出来れば秘書レベル!?
勤めていたころは、毎朝、メールチェックから始まりました。その時に気を付けていた事を書きます。是非、参考にしてくださいね。
メールは、急ぎの用事や謝罪には使わない
メールは、開かない事には、相手に伝わりません。すぐに伝えたい事や謝罪は電話にしましょう。
また、謝罪は直接しましょう。できればメールにしたい、という気持ちはよ~く解りますが、更にトラブる原因になります。経験者は語る・・・です(笑)
重要な要件は、メールと電話を併用する
必ず見て欲しい重要な要件は、電話もします。「メールを差し上げたので確認お願いします」だけでも構いません。見落とされずに、メールを開いてもらえます。見落とされてしまうと、こちらも大変困りますので!
メール1件につき、1用件
メール1件で、いくつもの要件を書くと、トラブルの原因になります。面倒かもしれませんが「1用件で1メール」。件名にもその用件を入れます。そうすれば、後になって、メールを探したい時に、件名だけで探し出せます。
メールの文章は、少し丁寧すぎるくらいのほうがよいです
顔の見えない人に、メールを出すことになります。通常の文章にすると、キツイ印象を与えてしまう事があります。少し丁寧すぎるくらいでちょうど良いです。
件名の最初に、【お礼】【お手すきの時に】と入れておく
お礼のメールなど、後回しにしてもらって構わないメールは、件名に一言書いておくと、先様の忙しい時間のおじゃまをしなくて済みます。ほんの少しの心遣いで、気持ちよくメールを読んでいただけます。
メールの操作方法はメールソフトによって違います
基本は一緒ですが、操作方法は、メールソフトによって違います。メールソフトが決まっているなら、教えて頂いて、数回メールを出せば、慣れます。
自分の使い慣れたメールソフトを使いたい場合は、設定すればできますし、受診メールを自動転送しておくこともできます。
まとめです
- メールには、長所と短所があります。TPOに応じて、電話やFAXと使い分けましょう。
- ビジネスメールは、解りやすく、簡潔に、丁寧に書きましょう。
- 署名は前もって登録しておくと便利です。
丁寧な方が良いとはいえ、毎回、簡略化してくる先様には、返信する時も同じように簡略した書き方にしています。丁寧な方には丁寧に返します。お顔が見えないので、出来るだけ気分を害さないように気を付けています。
< 余談 >
余談ですが、有名なビジネス雑誌に特集記事が載るような大企業の社長〇〇様に、弊社社長の代理でお礼メールをお送りしたことがあります。失礼のないように細心の注意を払い丁寧に書きました。
後日、返信メールが届きました。たった3行です。1行目は弊社社長の名前、2行目はお礼、3行目は〇〇様の名前。大変、簡単なものでしたが、間違いなく本人が打ったメールだと理解できました。
お礼メールへのお礼なので秘書が適当に書けばよい位のものです。大変お忙しいはずなのに、たった3行でもご自分でお礼メールを出される姿勢に驚き、最上に立つ人間とはこのような人なのだと、妙に納得してしまったのを覚えています。
たかがメール、されどメール・・・です。